写真1:
インプラント治療を計画している19歳女性患者の術前臨床像
8年前から上顎左側中切歯には歯根破折があり、歯根はチタン製ポストを用いて歯牙再植されている。患者は再植後数ヵ月経過してから瘻孔と歯に発赤があり、発赤が大きくなってきていることに気づいた。
写真2:
パノラマ画像
上顎左側中切歯が再植されていることを示す。歯冠とチタン製ポストの間で溶解を起こし低密度になった領域を確認することができる。
中切歯の歯根は認識できず、大部分は吸収されたと思われる。
加えて、上下顎に埋伏した第3大臼歯が確認できる。
写真3:
チタン製ポストを含めた上顎左側中切歯を抜歯後、当該箇所をコーンビームCTにて診断(小サイズFOV:4×4cm)
画像の評価:左側側切歯の充填した根管、突き出した鼻口蓋管(Y形状)、上顎左側中切歯の根管の先端部は充填剤がオーバーフィリングされているのが確認できる。
コーンビームCT画像に基づく所見により、インプラントの埋入と骨誘導再生法(GBR)を同時に行うことが計画された。
写真4:
上顎左側中切歯部にインプラントを埋入してから2年後のX線写真(写真4A)と臨床像(写真4B)。